「いつ頃から建築業者に会えばよいのか?」とお問い合わせを頂くことが多いのですが、テナント新装の場合、弊社ではご開業の約8ヶ月前を目安としております。但し、コンペ方式や新築ビル内でのご開業の場合は、規模や診療内容にもよりますが、約1年前から打ち合わせさせていただくのが一般的です。
建築工事には、設計と施工を分離発注する方法と一括発注する方法があります。現在、弊社は基本的に設計・施工一括発注のみ請け負っております。医療専門の特性を活かし切ること、ご開業後のサポート体制を担保することなどを考えると、一貫体制の方が明らかにお客さまにとってのメリットとなる為、現在は分離しないことを基本方針としております。
物件の現状把握を行います。不動産屋からもらった図面と現状が違う場合は多々あります。正確な寸法を測ることはもちろん、天井裏や床下など物件を立体的に知ることも大切です。さらに、事務所でもなく、飲食店でもなく、“クリニックをつくる”ために必要なインフラ設備が整備されているかなども調査のポイントです。
部屋の構成や配置、動線などを表す平面図を作成します。地域医療が広く世間に行き渡り、専門性や独自性が必要とされていく中で、先生ご自身が「誰にどういう医療を提供していきたいか」を伺い、それらを取り入れつつ、“医療建築”のプロとして使い勝手のよいレイアウトをご提案できるよう心掛けています。
平面計画が概ね決まった段階で、概算御見積書を作成します。 この段階ではまだ詳細が決まっていない為、平面計画をベースに弊社おすすめの仕様にて一旦見積もります。
平面計画が決まったら設備計画に移ります。設備は大きく電気設備、給排水設備、空調・換気設備に分けられ、それぞれ各部屋の用途や人の動線、導入医療機器の配置・必要スペックなどを考慮して決めていきます。
平面・設備計画が決まると、最後に意匠計画を行います。意匠とは簡単に言えば“デザイン”のことで、壁紙や床材などの内装材を選び、扉や家具のカタチなども決めていきます。弊社では、お客さまが完成形をよりリアルにイメージできるよう、建築パースを用いて打ち合わせを行っております。
これまでの平面・設備・意匠計画で伺った先生のご要望を加味した内容で御見積書を作成します。
着工後まず行う「墨出(すみだし)」という作業では、墨を使って床に壁の位置を描いていきます。弊社ではさらにその墨に沿って見えやすいようテープを貼り、主な家具や什器を置く位置にも原寸大でテープを貼ります。その作業が完了した段階で先生に現地にお越しいただき、実際のスケールを体感し、各部屋の広さや動線の最終確認をしていただきます。
工事が進み、壁の骨組みができた段階でもう一度先生に現地にお越しいただきます。空間の広さや繋がりを体感していただくと共に、コンセント・スイッチの位置や数量の最終確認をしていただきます。また、電子カルテや医療機器、機械警備の各担当者にも現地で最終確認を行っていただくようにしております。
納品の際にポイントとなるのは以下の点です。