クリニックご開業までのプロセス

病院とクリニックは、どちらも医療施設ですが、そこで働くスタッフが、多人数で専門業務を分担して行うのと、少人数で兼務して行うところに組織の違いがあります。この違いは、当然、建築の計画にも影響してきますが、多くの設計者がこのポイントを抑えることができておらず、この考え方をご理解いただくことが、弊社のクリニックの良さを実感していただける重要なポイントとなります。(コンパスが考えるクリニック設計ノウハウご紹介サイトをご参照ください)
又、住宅や店舗に比べ、クリニックは、安全性が重視されたり、医療機器等への専門的な理解も必要であったりと言う特性もあるため、他社よりも経験を積んだ弊社のスタッフであっても、きちんと調整した上で、設計や工事の調整を行わなければいけません。そして、私達は建築の専門家であるので、図面で空間をイメージできますが、先生方に図面からそのデザインや使い勝手をイメージして頂くためには、細かなお打合せも必要となります。

初めに先生とお会いをさせて頂き、ご開業頂くまでのおおよそのスケジュールは下記の通りになります。尚、このスケジュールは、一般的な雑居ビルの『テナント開業』を想定しており、『特殊ビルのテナント』や『戸建開業』の場合は、案件ごとの確認が必要となります。又、所轄行政機関の方針などによっても異なる場合がありますので、十分な確認が必要です。

クリニックご開業までのおおよそのスケジュール

初回面談の前に…

「いつ頃から建築会社に会えばよいのか?」とのお問い合わせを頂くことが多いのですが、通常のビルのテナントの内装工事の場合、弊社ではご開業の7か月前くらいを目安としております。但し、設計コンペ、工事の入札などをお考えの場合は、更に、そのための期間が必要となります。又、着工前の新築ビルに入られる場合は、その規模や診療内容にもよりますが、1年前くらい前からお話をさせて頂いているのが一般的です。

建築工事には、設計と施工を分離するやり方と、一括発注するやり方がありますが、弊社は基本的には、設計施工一括のみでお請けさせて頂いております。過去には、先生や開業コンサルタントの方針で分離請負を行わせて頂くこともありましたが、弊社が医療専門としての特性を活かし切ること、ご開業後のサポート体制の担保などを考えた場合、設計施工体制の方が、明らかにお客様にとってメリットになることから、現在では分離しない方針で行わせて頂いております。(但し、閑散期においては、設計される設計事務所・施工時期・施工内容によって、施工のみに限り、分離でお請けさせて頂くこともございます。ご相談ください。)

① 初回面談

初回面談では、弊社の会社概要と設計や工事のスタンスをご紹介させて頂くとともに、設計を行うための情報を聞き取りさせて頂きます。時間は、約1時間程度ですが、次のようなことをお聞かせ頂きます。

  • 診療科目
  • ご開業時期
  • 診療方針と先生の想い
  • イメージされているクリニック像
  • 必要な室と、雇用されるスタッフ数のイメージ など

この中でも、近年は、クリニックの専門性が高くなっていたり、先生の開業に対する想いがクリニック経営の重要な要素になっていたりしてきているため、特に“診療方針と先生の想い”をお聞かせ頂くことが、非常に重要になってきております。又、先生とのお話は、時には、ご家族のお話や、お好きな音楽やファッション、趣味の話等にも及びますが、それも先生の想いを実現していくためには大切なことだと考えています。
尚、初回面談後に、先生の開業時期に合わせた全体スケジュールを作成させていただき、これからのスケジュール感を共に共有させていただくようにしております。

  • 初回面談
  • 初回面談
  • 初回面談
  • 初回面談

② 現場調査(もしくは図面による現地の確認)

物件の現状把握です。不動産屋から頂いている図面と現状が違う場合は、多々、あります。現場調査をすることで、実際の面積・設備などを把握でき、できることと、できないこと、注意しなければいけないことなどが見えてきます。ただ寸法を測るだけではなく、要件を満たすインフラ設備が整備されているかなども調査のポイントとなります。

  • 現場調査
  • 現場調査
  • 現場調査
  • 現場調査

③ 設計図の作成

(1)平面計画
当社では、担当設計者の図面に対して、複数のスタッフの視点を盛り込むようにしています。最初は、概ね2案をご提案させて頂きます。対話を重ね、平面が固まると、模型やスケッチ、パース等を使って、立体的にイメージして頂けるように努めます。この前後に概算御見積書の提示と設計施工業者選定のお申し込みを頂いております。
(2)設備計画
平面の次は設備の計画を行います。医療機器等の配置計画の他、電気容量や照度、空調のための熱量、水量などの検討を行います。又、コンセントやスイッチの位置等も、動線や使い勝手に合わせて計画を進めていきます。導入される医療機器などは、この時期には決定しておかなければいけません。
(3)意匠(デザイン)計画
平面・立体・設備の計画がまとまった後に、クリニックに色付けをしていきます。内装材はもちろんですが、家具や照明の光の色等、診療が行いやすく、かつ、居心地が良いように進めていきます。

設計は、大きく、上記の3段階で進めますが、これらにかかる打合せは、おおよそ5~8回程度となり、通常、2週間に一度くらいのペースで設計者と打ち合わせして頂きます。

(関連業者合同ミーティング)
着工を前に、設計の最終段階として、電子カルテや医療器械などの担当者、検査会社や機械警備の業者等との合同ミーティングを行います。ここでは、設計内容を共有することも必要ですが、工事完了お引き渡し後の搬入作業や設定作業等のスケジュールを取りまとめさせて頂くことで、ご開業準備期間でロスや思い違いが生まれないように調整しております。一つのクリニックを成功開業へと導くための重要なプロジェクトミーティングになります。
  • 設計図作成期間
  • 設計図作成期間
  • 設計図作成期間
  • 設計図作成期間

④ 御見積書の提出

(1)概算見積書

平面計画がまとまる段階で、事業計画用の概算御見積書を提示させていただきます。銀行様の融資検討用の御見積書ですので、弊社では、無理にコストを落とした見積を作成することなく、上限をイメージして提出をさせて頂く場合の方が多いです。これは、お話が進むと、当初設定していた予算よりも膨らむことが、多々あり、その段階で増額融資を求めると、先生の事業計画や銀行の融資実行時期に影響してしまうからです。概算御見積では、内装工事の建築本体工事以外の別途工事のお見積も提出させて頂きます。別途工事の概要は、次のようなものです。

  • 電話やLAN等の通信設備工事
  • サインや看板などの工事
  • 診察室のデスク・イス、ロッカーや待合室のソファ等の什器備品 など
(2)本御見積書
設計工程が意匠(デザイン)計画に入る頃、最終的な工事にかかるお見積書を提示させていただきます。またこのお見積書が提示される頃、他のイニシャルコスト(医療機器の費用や、広告宣伝のための費用など)もほぼ確定され、弊社の別途工事の金額も見えてきますので、最終的なご開業の予算が見えてきます。

⑤ 工事請負契約

(1) 工事請負契約の時期
工事請負契約は、着工前の準備期間も加味して、工事開始の1か月から遅くとも2週間前までには締結をさせて頂いています。
ご融資実行のタイミング調整等も含めてのお支払計画を検討していきます。
(2) 工程表と工事の流れ
工事契約に際し、実際の工程表と工事の流れをご説明させていただきます。
建築工事を主軸として、電子カルテ、医療機器、サイン看板、電話開通、機械警備の開始、保健所等の開設申請等の諸スケジュールを、先生とプロジェクトに関係する方々全員が共有されている必要があります。

⑥ 工事準備期間

(1) 近隣挨拶
クリニックは近隣との関係も重要です。工事をさせて頂くということは、少なからず近隣の皆様にご迷惑をおかけすることになるため、弊社では、この近隣挨拶を着工の1週間前には行い、近隣様への工事説明と共に、そのお問い合わせ窓口を弊社の担当者に一本化するようにさせて頂いております。
(2) 商品発注
工事着工を前に商品や材料を発注します。早期に発注を行うことは、工事期間中、タイムロスや商品ロスをなくし、効率の良い現場運営し、合理的かつ安全で整理整頓がされた現場づくりを行っていく…という弊社の品質管理の一環にもなっています。

⑦ 内装工事期間

内装工事期間は、通常のテナントの場合、おおよそ1.0~1.5か月の期間を要しますが、案件によっては、貸主との条件、診療科目、医療機器によっては、さらに時間がかかることもあります。

(1) 工事着工(墨出し確認) ※できる限り、先生に立ち会って頂きます。

当社では、着工に際し、実際の壁(間仕切り)の位置を現場の床に実寸で描く『墨出し』という作業を行い、その作業完了後、先生にできる限り、現場に立ち会っていただくようにしています。これまで図面や模型などで先生と空間イメージを共有してきましたが、実際のスケール感を体感していただくことで、各部屋の広さや動線を体感していただくようにさせて頂いております。

(別途工事の決定)
今後の工事の進捗を鑑みると、着工時には別途工事の決定をしておく必要があります。

<通信設備工事>
医療機器や電子カルテの最終配置、数量の決定を受けて、ご発注頂きます。但し、電話番号の取得や、インターネット回線の手配等は、時間がかかるケースが多いため、着工の1~2か月前に申し込みをしておく必要がある場合もあります。スタート時の診療に影響する可能性もあるため、弊社がこれを代行して行う場合が多いです。
<サイン看板工事>
標榜される科目の決定ももちろんですが、ロゴマークや開院曜日、時間等の決定は着工前後には決定します。これらのクリニックの情報は、ホームページの作成や広告宣伝物の製作工程、内覧会の準備や、スタッフ募集の要件にも影響するので、決定は早ければ早いほど、他のスケジュールが円滑に進むことにもなります。
<什器備品>
内装工事終了後に、電子カルテや医療機器が納品され、スタッフ研修が行われますが、この際には什器や備品が入っていなければいけません。こうした什器は、発注後、約1か月の納期が要するケースが多いため、着工時には決定しておく必要があります。
(2) 設備の仕込み(設備工程)
電気設備や水道設備、そして空調、換気設備の配管や配線の仕込みを行います。これらは完成後には隠れて見えなくなってしまう部分ですので、管理者のチェックが必要です。またクリニックには、専門の知識が必要になるため、手慣れた現場技術者(職方)を含めた話し合いも必要不可欠です。特に設備については、医療機器の使い勝手を考えた収まり方を考える必要があります。
(3) 内装下地の施工(下地工程)
内装仕上げ材がより美しく、仕上がっていくためにも、この下地の工程は非常に重要です。また、併せて下地補強の工事なども行いますので、医療機器業者も含めた打合せが十分に出来ていないと、後で大幅なやり替えが生じてしまいます。
(4) 中間検査 ※できる限り、先生に立ち会って頂きます。
“墨出し確認”の時には、壁も何もありませんでしたが、この時期には、骨組みが立ち、設備が仕込まれ、使い勝手をイメージしていただけるようになります。何も無かった時は狭く感じていた各室も、広さのイメージも持って頂けるようになります。
この工程でも、できる限り、先生に実際に現場にお越しいただき、空間の広さや繋がりを体感して頂くと共に、手すりや機器などのための下地補強位置の確認や、コンセントやスイッチなどの高さの確認を最終決定します。その際、電子カルテや医療機器の担当者とLANの配線状況等を含めた最終的な確認をさせて頂きます。
(5) 内装仕上げの工程(仕上げ工程、家具・設備などの設置)
下地の工程が終了すると、いよいよ壁紙や床材などの仕上げ材の施工に入ります。空間に色や柄が入り、その雰囲気が感じられるようになります。仕上げ工事が終わると、家具やトイレ、流し、照明器具や空調機器などを取り付けます。下地工程からは、現場の雰囲気が一変します。仕上げの全工程が終わると、掃除を行い、床にWAXをかけ、お引き渡しの準備を始めます。
  • 内装工事期間
  • 内装工事期間
  • 内装工事期間
  • 内装工事期間
  • 内装工事期間
  • 内装工事期間
  • 内装工事期間
  • 内装工事期間

※写真撮影のため、ヘルメット等の安全器具は外しております。

⑧ 竣工検査及びお引き渡し

弊社では、お引き渡しを前に、物件の設計担当者と施工担当者による竣工検査を行います。
検査で指摘項目が出た場合、是正工事を行い、万一、お引き渡し時に、まだ完了していない未成工事がある場合は、その内容を明確にするようにしています。
お引き渡しの際には、上記の完了報告と共に、これから始まる開業までの準備期間の諸調整をさせて頂きます。

⑨ 官庁検査

クリニックのご開業に関する検査は、下記の3つの検査になります。

(1) 消防検査
地域により、若干の違いはありますが、一般的には、竣工お引き渡しの際に、最終的な防災設備の動作点検を行い、その報告書を以て、消防署へ使用開始届、防火設備設置届の2種類を提出します。
(2) 保健所検査
保健所は、通常、主にクリニック内の構造や設備についての検査が行います。図面通りの間取りと室名になっているか、申請内容通りのクリニックとなっているか…などを検査します。
(3) 厚生局検査(旧社会保険事務局)
クリニックは、通常、保険診療を行う前に保険外で診療できるクリニックとして開設し、開設した旨を保健所へ届け出て、後に厚生局の検査を経て、保険の認定を受けて、保険診療を行う流れになります。地域によって異なりますが、一般的には、保険診療が始まる1ヶ月ほど前にクリニックが開設されている流れになります。

なお、既設クリニックの移転や承継の場合、また医療法人格のクリニックの分院等の場合は、この保健所等の検査時期や手順が変わってくるので、注意が必要です。

⑩ ご開院準備(スタッフ研修をしていて気づくこと、研修が始まってから決めたほうが良いこと)

スタッフ研修の際、弊社ではクリニック全般の取扱説明をさせて頂いております。
清掃の仕方、漏電や水漏れへの対処法等…何かがあった場合には、弊社やその協力業者が対処に動きますが、その前に対処して頂きたいこともあるからです。
スタッフ研修が始まると、ベッドの位置や手洗い場のペーパーホルダ―の位置、そして、時計や額やテレビの位置を確認を行い、実際に合わせた細かい備品取付などを先生やスタッフの皆さんと決めていきます。又、カーテンやサインなどもこの時期に工事します。

⑪ ご開院

ご開院を前に多くの先生が内覧会を行います。
これまでお世話になられたご家族や先輩後輩、ご友人方。そしてこれから先生が診療をされていく地域の方々…。たくさんの方々にクリニックをご内覧いただき、新しいクリニックが誕生します。私共にとっても、また新しいクリニック様とのお付き合いが、また一つスタートする…とてもうれしい瞬間です。

院長の声

ぽかぽかこころクリニック ぽかぽかこころクリニック
完成・院長の声 完成・院長の声

「ぽかぽかこころクリニック」院長の声

もともとは、当クリニックの設計と施工を他社に依頼しようと進めていました。 ただ、なかなか私の想いが伝わらず、仕上がりのイメージもわかずにどうしようと悩んでいた際、インターネットでコンパスさんを見つけ、勇気を出して電話をかけてみました。

2016年の1月初旬の開業に向け、2015年の5月末に初めての打合せ、6月に提案を進めていただき、7月に本格的にスタートという進行で若干バタバタしましたが、 コンパスさんはパースやサンプルなどを使って様々な案を提案してくださったので非常にイメージがわきやすく、私もネットで検索するなどして、 よりイメージを膨らませながら打合せを重ね、楽しく進められました。自分ではなかなか思いつかなかった仕様はもちろん、患者さんとスタッフの使い勝手を左右するようなことまでも丁寧に考えてくださいました。 例えば、診療室などは部屋ごとに「みどり」や「そら」「さくら」とテーマを決め、それぞれの壁の色を変えること、他にもお母さんとお子さんが使いやすいキッズスペースの高さ、 受付カウンターの広さ、セミオーダーの可愛い椅子、トイレの鏡やペーパーホルダーの位置まで、細かやかな提案に感謝しています。

結果「ぽかぽかこころクリニック」という名前のように、とてもあたたかな印象の場所ができて本当に嬉しく思います。 さまざまなしんどさを抱えておられる患者さんが気軽に相談に来てくださり、この場所で少しでも心地良く過ごしていただけるよう精一杯頑張っていきたいと思っています。

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いわな整形外科 いわな整形外科
完成・院長の声 完成・院長の声

「いわな整形外科」院長の声

2016年の4月の開業に向け、2015年の10月頃から本格的なお打合せを進めていただきました。
もともとは他社との競合でしたが、コンパスさんのご提案は図面が大きくて見やすく、大まかなイメージをお伝えするたびに数案の幅広い選択肢の中から選ばせてもらえたため、楽しく迷いながらここまで来られたという印象です。

また、整形外科としては少し狭いテナントという限られた枠の中で窓や鏡などを有効活用し、広く明るいスペースに仕上げてくださいました。もともとナチュラルな雰囲気にしたいと思っていたところ、 木の素材や森の緑をイメージしたようなフロアマットなどを提案してくださり、患者さんにも好評です。なお、運動器リハビリテーションの施設基準もすんなりクリアーでき、そのような前例をお持ちのコンパスさんに頼って良かったと感じています。

当院の目標として、外傷や痛みなどの一般的な治療だけではなく、例えば理学療法士に運動方法を教えてもらうことで様々な病気を予防するなど、皆さんに楽しく通っていただけるスポーツジムのような場にもしていきたいと考えています。 そのためにも、この明るい空間でスタッフとともに努力していきたいですし、分院もしくは拡張などの際には、またコンパスさんにお願いできればと考えています。

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